2017.9.19現地時間、メキシコ中部首都メキシコシティ周辺で大地震がふたたび起きました。
チアパス・オアハカの地震が11日です。前記事ではメヒコ西南部は「もっとも貧しい地域」とされ、インフラや政府の支援が不足している、と書きました。しかしメヒコ全体を考えても、国自体がすっごく強くてうはうはである、とはいいがたい。たしかにシティには近代的なビルヂングが立ち並び、おしゃれでおハイソな商業地域は私もびびりますが、ホームレスの人もめちゃくちゃ多いし、2012年9月に行ったときには大統領府の前では占拠デモが起きていた。
こうしたメヒコの経済的苦境の大きな原因がEEUU、つまりエスタドス・ウニドス、アメリカ合衆国です(中南米では「アメリカ」というと南北アメリカ大陸のこと、特に自分たちラテン・アメリカのことなので、アメリカのことは「合衆国」と呼びます)。
ご存知のように今の合衆国大統領は分離壁とか移民追い返しとかいろいろメヒコに非道にあたっていますが、いかにも非道なことだけではなく、NAFTA再交渉などという経済的に合法でよさげな感じのことも、メヒコにとっては不当で、弾圧的に感じられることがらです。もともとのNAFTAがメヒコの経済没落と農業のプランテーション化、市場化(売れていいよね、という市場ではなくて、トウモロコシが先物取引の材料になってえらいことになった)の原因ですが、再交渉は、合衆国にとって有利、メヒコにとって不利になるのは明らかです。
そうやって弱ったり傷んだりしているところに、災害も来る。シティだって古い建物、特に公共建築などはぼろっちくて脆弱です。だから学校が倒壊したりしてる。そういう建物の傷みと、国の傷みが悲しいかな、シンクロしてみえるのです。